むらさき


今年の秋は
むらさきが流行るという。
~山紫水明~は、水清らかに山美しい京都を表した 幕末の陽明学者であり文人の頼山陽の言葉。
彼の寓居は賀茂川の東、丸太町通り近くにあった。 今は石碑がたつのみで、当時をしのぶよすがもない。賀茂川べりから北を望めば、北山の山並みが幾重にも重なりあたかも水墨画をみるよう。その濃淡の美しいこと。
遠く北の貴船神社に端を発する賀茂川。
光が砕け、反射してはっきりと水の流れの軌跡が見え、水藻のたなびく様が水面の奥行きとなる。

私が長く書を習ったのは『水明』という書道会だった。幼な心に、『水明』とは何か?と母に尋ねたことがある。 そのとき母から初めて~山紫水明~という言葉を聴いた。

通った先生のお宅はこの賀茂川のずっと川下にあった。

~山紫水明~

目の前の流れにいつの間にか 蒼い墨の色が広がり、やがてそれは秋の北山の色につながっていく。
山並みも流れも、渾然一体となり 私の五感は、かぐわしく懐かしい墨の薫りをとらえている。

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